マーサーブランチで、ちょっと恥ずかしいけどおいしい早めランチ

先日、少し早めのランチをしようと、六本木にある「マーサーブランチ」へ足を運びました。言わずと知れたフレンチトーストの名店。休日ともなれば開店前から行列ができるほどの人気ぶりで、最近では海外からのお客様も増えているようです。おしゃれで明るく、どこを切り取っても画になる店内は、まさに“東京らしい”を体感できる空間。外国人観光客に人気があるのも、うなずけます。

私がこのお店に初めて訪れたのはもう何年も前ですが、その頃からずっと変わらず好きなのが、あのふわふわで甘じょっぱい絶品のフレンチトースト。ブランチのプレートとして提供されるものの中でも、あのトースト目当てで再訪を繰り返す人も多いのではないでしょうか。私もそのひとりです。

さて、そんな思い出深いマーサーブランチですが、コロナ禍の後にリニューアルされたことで、さらにガラス張りの要素が増し、開放感が格段にアップしました。店内の天井は高く、窓際には大きなガラスがはめ込まれ、外の光をたっぷりと取り込んでいます。その美しい設計はまさに都会的な洗練そのもの。ですが実は、私は少しだけこの“ガラス張り感”に苦手意識があるのです。

というのも、ガラス越しに行き交う人々の視線が気になってしまうんですね。窓際の席に座ると、まるで自分が“見られる”側になったような、少し落ち着かない気分になります。ですから、店内奥の壁側の席に通されるとちょっと安心したりして。でもこの日は、あいにく(あるいは幸運にも?)窓際の席に案内されました。

すぐ横を人々が歩いていくのが見え、こちらの様子をちらりと覗く視線も時折感じる…。何をそんなに気にしているんだと言われそうですが、街中で一瞬“展示物”になったような、そんな不思議な感覚。とはいえ、都会の洗練と賑わいが交錯する六本木の街を目の前にして食べるブランチも、ある意味貴重な体験かもしれません。

そんな少し落ち着かない気持ちを和らげてくれるのが、やはりあのフレンチトースト。ふわりとした食感に、とろけるような甘さとほんのり塩味のバランスが絶妙。外はカリッと、中はとろり。口に入れた瞬間、すべての緊張感がほどけていくのを感じます。どれだけ空間が変わろうとも、この味が変わらないことこそが、私にとってのマーサーブランチの魅力なのです。

食後には軽くコーヒーをいただき、周囲の賑わいをBGMに、短いけれど心に残る時間を過ごしました。これからも、あのフレンチトーストに会いたくて、ふとした日にまた訪れると思います。そして次こそは、壁側の席をお願いしようかな…なんて思いながら、お店をあとにしました。

投稿者プロフィール

Koharun
Koharun
青森県五所川原市相内で生まれ育ちました。大学進学を機に東京に出て、今は相内と東京を行き来しながら、仕事と子育てに追われる毎日を送っています。相内の自然や人のあたたかさ、東京の華やかで刺激的な世界、そのどちらも大好きです。そんな私だからこそできる「津軽の恵み」の届け方があると思い、このプロジェクトを立ち上げました。どうぞよろしくお願いします。