生きる意味を感じる場所 〜ケンゾーエステイトワイナリー 六本木ヒルズ店〜
六本木ヒルズという街の中で、私が特に「人間の可能性」を感じる場所があります。それが「ケンゾーエステイトワイナリー 六本木ヒルズ店」。ここは、ただワインを飲みに行く場所ではなく、私にとってはある一つの“物語”を味わう場所でもあるのです。
ケンゾーエステイトは、アメリカ・カリフォルニア州ナパバレーにあるワイナリーで、世界的にも評価の高いワインを数々生み出しています。その創業者は、あの「カプコン」の創業者でもある辻本憲三さん。ゲーム業界の成功者として名を馳せた辻本さんが、全く別の世界であるワインの世界にゼロから挑戦したというそのストーリーに、私は心を揺さぶられました。
ナパバレーの広大な土地を自ら歩き、最高の土壌を求め、何年もかけて土壌改良を行い、優れたワインを作るために必要なすべてを一から整えていく。もちろん資金力があるからこその挑戦だという見方もあるかもしれません。でも私が感動したのは、「できあがったワイナリー」ではなく、「挑戦の過程」そのもの。
60歳を超えて、まったく新しい領域に飛び込む勇気。妥協なく理想を追い求める姿勢。そして何よりも、自分自身の“喜び”のために、人生を賭けてチャレンジするという生き方。商売で当たって儲けるということではなく、挑戦し、創り、達成する——その喜びこそが、人間が生きる意味なのではないかと、ケンゾーエステイトに出会うたびに思わされるのです。
私が初めてケンゾーエステイトのワインを口にしたのは、赤坂にある和食の名店「い津み」でした。料理との相性も含めて、衝撃を受けたのを今でもよく覚えています。深みがありながらも繊細で、飲むたびに何か新しい表情を見せてくれるその味わいは、単に“美味しい”という言葉では言い尽くせませんでした。それ以来、すっかりファンに。
六本木ヒルズ店は、そんなケンゾーエステイトの世界観を、都会の真ん中で堪能できる貴重な空間です。店内は上質ながらも温かみがあり、スタッフの皆さんも一貫して丁寧で、知識も豊富。初めて訪れる方でも、構えずに楽しむことができると思います。
特に印象的なのは、ワインをただ提供するのではなく、その背景にある「ストーリー」を大切にしているところ。どんな思いでこのワインが作られたのか、どの畑から収穫されたぶどうなのか、どのくらい熟成させたのか——それを聞きながらグラスを傾けると、一杯のワインがまるで一章の物語のように感じられてきます。
そんな中で味わうのが、私のお気に入りの「紫鈴(りんどう)」や「明日香(あすか)」。どちらも香り高く、食事との相性も抜群。そして、その味を知っているからこそ、またあのナパの大地から生まれた物語に想いを馳せたくなるのです。
「ケンゾーエステイトに行くと、ちょっと背筋が伸びるね」と誰かが言っていました。確かに、何か大きな志に触れたような、そんな気持ちになるからかもしれません。
今日もまた、誰かがこのお店でグラスを傾けながら、自分の人生の意味について考えているかもしれない——そんな想像をしながら、私も次の訪問を楽しみにしています。
投稿者プロフィール

- 青森県五所川原市相内で生まれ育ちました。大学進学を機に東京に出て、今は相内と東京を行き来しながら、仕事と子育てに追われる毎日を送っています。相内の自然や人のあたたかさ、東京の華やかで刺激的な世界、そのどちらも大好きです。そんな私だからこそできる「津軽の恵み」の届け方があると思い、このプロジェクトを立ち上げました。どうぞよろしくお願いします。
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