Restaurant Ryuzuで再確認した“本物の美味しさ”

先週、久しぶりに六本木の「Restaurant Ryuzu(リューズ)」でランチをいただいてきました。テレビや雑誌、SNSなどで度々話題にのぼるこのお店。メディアでよく取り上げられる人気店には、実は少し慎重になってしまう私です。見た目は華やかだけど、実際に口にしてみると「あれ?」と感じてしまうこと、ありませんか?そういう経験を何度かしていると、“話題性”より“実力”に軸を置いてお店を選ぶようになります。

そんな中でも、Ryuzuはいつ訪れても「やっぱり、ここは違う」と思わせてくれる稀有なお店です。今回もその実力に、しみじみと感動させられました。

お肉やお魚の火入れ、香り、ソースのバランス——言うまでもなく一流。どのお皿にも、シェフの丁寧な仕事と誠実な姿勢がしっかりと感じられて、ひと口目から心がほぐれていくような安心感があります。使われている食材ひとつひとつが生きていて、「ああ、きちんとお料理してもらって、嬉しいね」と食材自身が語りかけてくるよう。

そして特筆すべきは、パン。コースの中では脇役のように扱われがちなパンが、ここではしっかりと存在感を放っています。外はパリッと香ばしく、中はふんわりと柔らかくて、ほんのりと甘みも感じられる。何気ない一品こそ、そのお店の姿勢や実力がにじみ出るものだと思っていますが、まさにその通り。おかわりしたい気持ちをぐっとこらえながら、じっくり味わいました。

店内は、間接照明の効果か、やや緊張感のある雰囲気。静けさの中にピンと張った空気が漂っていて、「これから特別な体験が始まる」という予感が自然と高まります。こうした演出も、食事の時間をより豊かにするための大切な要素ですよね。背筋が少し伸びるような、でも心地よい緊張感。

ただ、決して堅苦しいわけではなく、スタッフの方々の対応がとても柔らかいのです。若い方も多く、笑顔の中に活気があり、同時に落ち着きと品格もある。その絶妙なバランスが、Ryuzuらしさのひとつなのかもしれません。

「格式あるお店=重厚で緊張する空間」というイメージがありますが、Ryuzuはそれを超えて、芯のある軽やかさを感じさせてくれる稀有な存在です。誰かをおもてなししたいとき、自分をちょっとだけ甘やかしたいとき、自然とここが候補にあがるのも納得です。

今回のランチも、そんなRyuzuの魅力を存分に感じさせてくれるひとときでした。前菜からデザートまで、すべてに無駄がなく、過剰な演出もなく、ただただ「おいしい」の一言に尽きる。噛むたびに満たされていく感覚を味わいながら、「やっぱりRyuzuはいいな」と、心の中で何度もつぶやいてしまいました。

こうしてまた一つ、記憶に残る食事の思い出が増えました。きっと次回も、同じように、いやそれ以上の感動をもらえるはず。Ryuzuには、そんな信頼があります。

投稿者プロフィール

Koharun
Koharun
青森県五所川原市相内で生まれ育ちました。大学進学を機に東京に出て、今は相内と東京を行き来しながら、仕事と子育てに追われる毎日を送っています。相内の自然や人のあたたかさ、東京の華やかで刺激的な世界、そのどちらも大好きです。そんな私だからこそできる「津軽の恵み」の届け方があると思い、このプロジェクトを立ち上げました。どうぞよろしくお願いします。