夏の終わりの始まりを告げる花 - ねむの木

7月も後半に入り、津軽は連日夏真っ盛り。セミの声と照りつける日差しに、毎日溶けそうな思いで過ごしています。

そんな中、ふと目に留まったのが、鮮やかなピンク色の花。小学校の近くを通ると、ねむの木が満開を迎えていました。青空の下、まるでピンク色の羽毛を広げたように咲き誇る姿は、息をのむほど美しかったです。

ねむの木の花言葉は「歓喜」「胸のときめき」。まさに、夏の喜びを象徴するような花ですよね。

ねむの木って秋の花?

…と、ここまではよくある夏の風景。しかし、家に帰ってねむの木について調べてみると、意外な事実が発覚したんです。なんと、ねむの木は秋の花とされることもあるようなのです。

え?盛夏に咲いているのに?と、思わず首をかしげてしまいました。調べてみると、ねむの木の開花時期は一般的に6月~8月頃。確かに、真夏に咲く花ではありますが、暦の上では立秋(8月上旬)を過ぎると秋。そう考えると、ねむの木は夏の終わりから秋の始まりを告げる花、と言えるのかもしれません。

津軽のねむの木が咲き誇る風景は、夏のピークを迎えながらも、少しずつ秋の気配が忍び寄っていることを教えてくれているのかもしれません。

ねむの木は夜になると眠る?

ねむの木の名前の由来は、そのユニークな性質にあります。ねむの木の葉は、夜になると葉を閉じて垂れ下がるのです。まるで眠っているように見えることから、「ねむの木」という名前が付けられました。

この現象は、就眠運動と呼ばれ、葉の付け根にある膨らんだ部分(葉枕)の水分量の変化によって起こります。夜間や曇りの日など、光合成の必要がない時に葉を閉じることで、水分蒸発を抑えたり、外敵から身を守ったりする役割があると考えられています。

昼間は太陽に向かって葉を広げ、夜は静かに眠る。そんなねむの木の姿を見ていると、なんだか愛おしくなりますよね。

ねむの木にまつわるちょっと面白い話

ねむの木には、様々な興味深い話が残っています。

  • 万葉集にも登場する古い歴史

ねむの木は、万葉集にも登場するほど古くから日本人に親しまれてきた植物です。その優雅な姿は、多くの歌人や文人たちを魅了してきました。

  • 薬としても利用されていた

ねむの木は、古くから薬としても利用されてきました。樹皮や葉には、鎮静作用や解熱作用があるとされ、不眠症や神経症の治療に用いられていたそうです。

  • 世界中で愛されるねむの木

ねむの木は、日本だけでなく、世界中の熱帯・亜熱帯地域に分布しています。ハワイでは「モンキーポッド」と呼ばれ、大きな木陰を作ることから、公園や街路樹として親しまれています。

身近な場所から秋を感じて

ねむの木の花が咲き始めると、夏も終盤に差し掛かったことを感じます。毎日暑い日が続きますが、少しずつ秋の気配が近づいているんですね。

皆さんも、身近な場所でねむの木を探してみてはいかがでしょうか。鮮やかなピンク色の花を見ていると、夏の疲れも癒されるかもしれません。そして、夜にはそっと葉を閉じて眠るねむの木の姿を観察してみてください。自然の神秘に触れ、心が安らぐはずです。

まとめ

ねむの木は、夏の終わりから秋の始まりを告げる美しい花。夜になると葉を閉じて眠るユニークな性質を持ち、古くから日本人に親しまれてきました。

津軽のねむの木は、今年も変わらず美しい花を咲かせています。皆さんも、ねむの木を通して、季節の移り変わりを感じてみてください。

投稿者プロフィール

Koharun
Koharun
青森県五所川原市相内で生まれ育ちました。大学進学を機に東京に出て、今は相内と東京を行き来しながら、仕事と子育てに追われる毎日を送っています。相内の自然や人のあたたかさ、東京の華やかで刺激的な世界、そのどちらも大好きです。そんな私だからこそできる「津軽の恵み」の届け方があると思い、このプロジェクトを立ち上げました。どうぞよろしくお願いします。